株式会社ソフィス

株式会社ソフィス - ソフトウェアの設計・教育・実装

プログラマーの朝礼

激流を渡る

株式会社 ソフィス 株式会社 ソフィス (2022年8月1日 10:06)

 私は以前から仏教の守護神である八部衆の一人、阿修羅(あしゅら 又は あすら ともいう)が好きで、奈良興福寺の国宝館に何度か阿修羅像を見に行っています。

 少し前になりますが、平城遷都1300年の折に国宝館に行った時、阿修羅の事に調べる機会がありました。どうやら原始仏教の世界に入らないと阿修羅の真の姿は分からない様子で、テーマが深くなりそうそうですが、「サンユッタ・ニカーヤ」からはじめなければならない事が分かりました。「サンユッタ・ニカーヤ」とは、「主題ごとに整理された教えの集成」と言う意味で、原始仏教の経典です。わたしは一気にこの古典を読みふけりました。

 「サンユッタ・ニカーヤ」では、ブッダが神、悪魔、精霊、修行僧、仙人、尼、長老などと対話をする形式で話が進んでいきます。ですから、途中で深く考えなければ、普通の読み物として読んでいけます。でも、随所で、「どきっ!」とする箇所が現れます。そして、「どきっ!」とする箇所はいきなり現れます。

第一章 葦 第一節 激流
「きみよ、あなたは激流をどのようにして渡ったのですか?」
釈尊「友よ。わたしは、立ち止まることなく、あがくことなしに、激流を渡りました。」
「きみよ。では、あなたは、どのようにして、立ち止まることなく、あがくことなしに激流を渡ったのですか?」
釈尊「友よ。わたしは立ち止まるときに沈み、あがくときに溺れるのです。わたしは、このように立ち止まることなしに、あがくことなしに激流を渡ったのです。」

 激流とは何か。世間だとすると。「立ち止まることなく、あがくことなしに世間を渡る」となりますが、なんにでも当てはまりそうです。勿論、ソフト開発にも。「立ち止まるから沈み、あがくから溺れる」。阿修羅に興味を持ったところから、思わぬ古典に出会う事ができました。興味のある方は以下をご覧下さい。

ブッダ神々との対話 ― サンユッタ・ニカーヤ1 (岩波文庫 青 329-1)
ブッダ悪魔との対話 ― サンユッタ・ニカーヤ2 (岩波文庫 青 329-2)