分散と集中
久々のブログになってしまいました。年初よりAndroidに魅せられ勉強・調査・開発の日々を送って来ましたが、既に季節は秋となりました。今日は講習会と出張の予定だったのですが、台風の影響で全て中止。出張は明日早朝に変更。・・・・と言う訳で(暇となり)プログの管理画面を開いた次第です。
書きたい事、沢山あります。今日は「分散と集中」について書きます。この話題はシステム屋にとって史観を養うための重要なテーマです。今日は触りだけ、そして現状を少しだけ書きます。
コンピュータシステムに限らず、社会システムでさえも、「分散」と「集中」が繰り返させて時代が前に進んで行きます。これはシステム進化の原理です。コンピュータシステムに於いては:
- メインフレーム(集中期)
- クライアント/サーバ(分散期)
- WEBシステム-シンクライアント(集中期)
- WEBシステム-リッチライアント(分散期)
という具合に分散と集中が繰り返されてきました。今現在はリッチライアントの初期に当たるのではないかと思われます。後になりましたが(釈迦に説法なのであまり書きませんが)、ここで言うWEBシステムとは、クライアントがネットワークを介してWEB(またはAP)サーバと通信し、サーバ上にコアとなるビジネスロジックが存在するシステムの事です。集中型のWEBシステムでは端末画面を作るプレゼンテーション機能さえもWEBサーバ上に実装されています。
ビジネスロジックからプレゼンテーションまでを網羅する巨大なWEBサーバシステムでは、「より早く」そして「より速く」を求める時代の変革に耐える事ができなく、現状では分散の方向が示唆されています。そして、その模索がここ数年の間に行われ、FLEXやSilverLight、そしてAndroidやiosが登場してきました。コアのサーバシステムを安定且つ長期にわたり維持しつつ、ユーザーの視点に基づきクライアント端末を素早く進化させる事。これこそが今の時代に求められているものに他なりません。
私が入社した頃はメインフレーム(集中期)からクライアント/サーバ(分散期)への変革期でした。集中と分散の時代を何回か体験して分かった事は、アプリケーションの実装方法や利便性は大きく変化してもその適用システムのコアロジックは変わらないという事実です。確かに新しいサービスは出現しますが、既往システムのコアとなるモデルやロジックにあまり変化はありません。これは社会システムとコンピュータシステムの進歩の時定数が異なる事に起因している事に他なりません。
2度目の分散期を迎えている現在、私の興味は、クライアント端末に向いています。相手にせねばならないクライアントは、当面、PC端末とモバイル端末です。これらの端末の統合は画期的なUIの登場を待たなければ当面ありそうにありません。今、私の頭の中にあるクライアント端末の実装は:
が基本になっています。無論、FLEXかSilverlight、JQUERYかHTML5(ちと早いか)、Androidかiosなどの選択があるのは事実でしょう。しかし、大切なのは実装手段(フレームワークや言語)ではなく、実装屋として、PC管理画面/PCユーザ画面/モバイル端末の3種類のプレゼンテーションをそれぞれ異なった実装手法によって手がけなければならない時代が来ているという認識を持たなければいけないということなのです。
- PC端末(管理画面) --- FLEX
- PC端末(ユーザ画面) ---- JQUERY
- モバイル端末 ---- Android
今再び、20年前に読んだ本の一節が脳裏を横切ります。
「使って天国、作って地獄」 --- オブジェクト指向狂詩曲 1992,吉田弘一郎著
これは、90年代前半までのオブジェクト指向を象徴する言葉です。クライアント/サーバ(分散期)全盛の頃、ToolBoxを使い、InsideMacを携えながらMacのプログラムを開発していた頃(1990)の事は今でも若かりし頃の良い思い出となって残っています。Appleは今も顕在です。しかし今の私はAndroidに夢中なのです。iosではなくて。
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