一杯のかけ蕎麦の記憶
先週の土曜日、東京に行きました。京都から高速(夜行)バスに乗り、東京駅に着いたのは朝の7時です。
高速バスで東京駅に着いた時の朝の過ごし方は、昔から決まっていました。八重洲地下にある「東京クーア 」というサウナに入りゆっくりと過ごす事です。ところが・・・ このサウナ、今年の3月で閉店になってました。なんでも、東京駅の八重洲口再開発のためだそうです。・・・残念。
で、確か、八重洲(日本橋)にもう一軒24時間のサウナがあったはず。と思いだし。朝の日本橋歓楽街をうろうろしていると「湯楽三昧」というお店がありました。あ。これだ。早朝割引もあり入館料は1500円也。1時間くらいここでゆっくり過ごしました。
サウナを出て、飯田橋に向かいました(ここで友人と待ち合わせていました)。JR飯田橋の駅に着き、「何か朝食を」と思っていると、立ち食いそば屋を発見。「あ、そういえばこのそば屋、昔よくいったなー」(JR飯田橋は昔(25年前)通学していた大学のある駅です)。時間は9時前、店に入り、かけ蕎麦を注文しました。
ひと口すすると、何、この「味」、そして「色」。真っ黒で、濃口醤油独特の風味。少し驚きました。関西風の鰹ダシと薄口醤油になれてしまっている私の体は、関東風のかけ蕎麦を一瞬、異文化として反応しました。
が、少したつと、懐かしさが込み上げてきました。そういえば、学生の頃、よく食べたなー。関東風のかけ蕎麦を食べたのは何年ぶりだったでしょう。(ひょっとして、大学卒業以来食べてなのか?)。
その後、友人と会い、昔話に花を咲かせ、帰途に着きました。帰路のJR新大阪駅で、今度は、関西風のかけ蕎麦を食べました。いつもの味でした。そして、その味に納得しました。
「味の記憶」って、結構長い間消えないものなのですね。皆さんもこんな記憶ありませんか。
私は高校を卒業してから約2年間、名古屋に住んでいました。名古屋の名物と言えば、「きしめん」と「ういろう」が頭に浮かんできます。この名物きしめんは味噌煮込みで食べることが多いのですが、名古屋に移り住んだ頃は、関西風味のうどんしか知らない私にはとても強烈な印象を受け付けた一品でした。味噌が辛くて辛くて・・・。初めて食べたときは辛抱出来ずに、コップのお冷をきしめんが入っているどんぶりに入れて、味を薄めてなんとか食べたのです。しかし、2年も住んでいると結構、名古屋や岐阜系(美濃)の味にも慣れ、当初は辛い辛いと避けていた食べ物も苦もなく食することができるようになっていました。
その後関西に戻り10年ぐらい経ったある日、飛騨高山方面に行ったスキーの帰りに晩御飯ということで友人3人と岐阜市できしめんを食べることになったのです。そこで久しぶりにきしめんを食べたのですが・・・。
味覚が関西風の鰹だしうどんに戻っていたため、10年ぶりに食べたきしめんに耐え切れなくなり、お冷をきしめんの入ったどんぶりに入れていました。その後の自宅へ向かう車中で、友人に10年前にもきしめんのどんぶりにお冷を入れたことを話し、大笑いしながら自宅へ向かいました。あのなんとも言えない塩辛い味噌煮込みきしめん、今となっては名古屋で暮らした思い出の一つになっています。
※名古屋や岐阜の人からはきしめんとうどんは違う食べもだから比較しないでと、何度も教えられたのに・・・、今だにきしめんとうどんを比較しています。名古屋の人々に怒られそうですネ。